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毎月500ページもの新たな知恵を活かして生徒に伴走するAO義塾のScrapbox活用事例

· #会社で使う
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Edventure株式会社は大学のAO入試に特化した塾である「AO義塾」を運営しています。

AO義塾の立ち上げは2010年と業界内では早い参入ではなかったものの、立ち上げ2年目で有名大学への高い合格実績を出すことができ、業界での注目度が一気に高まりました。

今回は同社の取締役副社長(COO)の嶺井祐輝様にお話を伺いました。

生徒の人生の方向を変える塾

まずは、AO義塾はどのような塾なのか教えてください。

創業者が慶應義塾大学出身ということもあり、立ち上げ初期から慶應義塾大学などのAO入試に優位性がありました。塾の方針としては、学力だけで学生の可能性を判断するのではなく、何かに秀でている生徒、総じて優秀な生徒などタイプは問わずに塾生として迎い入れ、その生徒がAO入試をきっかけにいかに人生を豊かにすることができるか、という観点で成長を支援しています。

嶺井様はどのようなきっかけで入社されたのですか。

入社の何年も前から創業者とは知り合いで、時々事業の手伝いをしていました。私はそれまでスタートアップを何社も立ち上げてきましたが、事業立ち上げを繰り返していく中で、社会により貢献できる事業をやりたいと思うようになりました。

その点、AO義塾は生徒の人生を変えられる事業です。2020年には大学入試改革が予定されており、これまで以上にAO入試で行われきた要素が取り入れられるという背景もあります。自身が参画することにより事業の社会的意義をより拡大できるのではないかと思い、2015年に参画しました。

画一的でない伴走スタイルだからこそ工夫の蓄積場所が必要

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左から同席いただいたヒュッテ本部長代理の當眞様、COOの嶺井様

入社されてから情報共有の改善に至る経緯を教えてください。

入社直後は、いかに組織として拡大できるようにするかが課題でした。と言いますのは、それまでは高い合格率を出すことができ、入塾希望者が増える、それに合わせてスタッフや教室を増えていくという事業拡大のサイクルが続いていました。

一方で、生徒への伴走など教育面を優先せざるを得なかったために、入塾手続きや入出金管理等をはじめとするバックオフィスのオペレーションはつぎはぎ状態でした。このまま拡大していくといつかは支障が生じてしまうと思い、入社後の2年間は特にバックオフィスのオペレーション改善に力を入れました。

バックオフィスの改善がひと段落すると、組織の拡大に対応できる体制をどう築くか、業務をどう効率化するかが次の課題になりました。そのためには、情報共有の仕方が重要と考え、情報共有の改善に取り組みました。

教育面でも情報共有の必要性が高まりましたか。

通常の入試対策であれば、ある程度決まった知識や考え方を教えれば成績が伸びるというわかりやすい構図があります。一方で、AO入試には決まった知識などはなく、自分で考えられる力こそが重要です。そのため、AO塾では一方的に教える指導ではなく、「君の人生は君のものだから、将来どうしていくのがよいか一緒に考えよう」というスタンスで取り組んでいます。当社ではその伴走役をシェルパと呼んでいます。

画一的な指導方法はとれないので、やり方をシェルパに任せている部分もあります。これまでは、卒塾生がシェルパを担うこと多かったため、AO義塾のスタイルを知る人が、そのスタイルで伴走するという方法でやってこれました。

しかし、近年は関東以外の拠点も増やしているので、AO義塾スタイルを知らない人でもシェルパとなって伴走できるようにする必要があります。関東と違って見て覚えることにも限界がありますので、AO義塾の考え方やAO入試の知見を学べる環境が必要です。

また、卒塾生がシェルパを担うにせよ、昨年誰かが考えたアドバイスを、今年別の人が同じように時間を使ってアドバイスを考えたことも発生しており、過去の知見が活かせずもったいないとも感じていました。

その解決として、情報共有ツールの活用を考えました。

管理でつまずかずに情報が蓄積し続けるからScrapboxを採用

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Scrapboxの導入を決めた理由は何でしょうか。

それまでも文書共有ツールを利用していたのですが、フォルダから必要なファイルを勝手に探して見てください、だと結局探せずに文章が見られないという問題がありました。それは、フォルダを格納する際のルールや格納場所を整理していなかったというのが一因です。

であれば、格納場所を階層型で整理して、格納のルールを定めなければとも思ったのですが、整理し続けるのも大変で、これだといずれ管理が追い付かずに結局は参照されなくなる、という懸念がありました。

どうしようかと思案していた時にタイミングよく出会ったのがScrapboxです。Scrapboxでは、最初から格納場所の整理やルール決めをしなくとも、後から情報がつながって勝手に整理されるという特性がありますので、情報を吐き出すことに集中できるというメリットがあります。この方が情報共有が持続すると考え、Scrapboxを活用することにしました。

Scrapboxをどのように使っているのでしょうか。

バックオフィスの整備という点では、オペレーションマニュアル、ルール、議事録や説明会等のイベント企画等を蓄積・共有しています。例えば、シェルパはどのような活動をするのか、どの活動範囲まで稼働時間として認めるか等これまで整備してきた内容を蓄積しています。

イベント企画での利用も多く、どのような説明会や合宿を行うのか、それをどの手順で進めるのか等を企画案の出し合いから当日の動き方の共有まで幅広く利用しています。

それと、タスク管理というか、マネジメント支援としても利用しています。スタッフのタスクや進捗状況はなるべくScrapbox上に記載してもらっています。「あのタスクは進んでいるのかな?」と気になったときは、Scrapboxを見ればどこまで進んでいるのか、どこで悩んでいるのかがわかります。私は大阪など他拠点に出張することも多いので、東京本社では順調に進んでいるのかなと状況を把握したりアドバイスしたりする際に役立っています。

教育面ではどのように使っていますか。

教育面においては、AO入試に関する知見・ノウハウや指導方法に加えて、生徒と面談した際の記録を学生カルテとして記録する場合もあります。基本的に、過去の知見が活かせるよう、シェルパにはできるだけScrapboxに蓄積してほしいというお願いをしています。

また、全てのスタッフにはAO義塾を自分事として考えてほしいという想いから、売上情報や生徒の獲得状況なども共有しています。

現在は、11教室の150人以上がScrapboxを利用している状況なので、毎月500ページ以上増え、総数では6,000ページ以上(2018年8月時点)にもなっています。

ものすごく使っていただいていますね。そこまで増えると、情報が見つけにくいという声は出てきますか。

新入のスタッフが最初から全体像を掴むのは難しいと思いますので、情報の見方をガイドするメニューページはいくつか用意しています。このテーマのこの情報はここに書いてある、という内容です。これさえあれば、ある程度使えるようにはなっています。

ただし、これだけの量の情報をみなが十分に使いきれているかと言うとまだまだというのが現状です。それに、これまでは情報を吐き出すこと、蓄積することに重きを置いてきましたが、情報によっては要・不要の判断が必要かもしれません。それを含めて最低限の整理やガイドは必要な可能性がありますので、今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

ノウハウを活かして成果を上げるケースが続々と出現

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Scrapboxの導入効果は実感されていますか?

情報が猛烈に増えたことで、仕事が進めやすくなったことは確かです。先ほど挙げた遠隔地からでもタスク管理やアドバイスができるというプロジェクトマネジメント面での効果も大きいと感じています。

また、蓄積されたノウハウを上手く活用した事例も増えてきています。例えば、生徒募集のチラシ制作の際に原案の作成者に対して、このような観点で改善するとさらに良くなると伝えたところ、作成者はフィードバック内容をもとにチラシ制作ノウハウとして体系的にScrapbox上にまとめてくれました。すると、それを見た他教室のスタッフが十分なクオリティでチラシを制作してくれるようになりました。

Scrapboxについて

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企画書、社内マニュアル、議事録など、チームに必要なドキュメントを共同で瞬時に作成できます。ドキュメント同士を関連性を元に自動で繋げ合い、何千、何万ものドキュメントを管理する苦労から解放してくれることが特徴です。