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ゲーム開発から社内ブログまで幅広く!BeXideのScrapbox活用

· #会社で使う

東京都立川市でゲームソフトや関連グッズの開発を手がける株式会社ビサイド(以下、ビサイド)。株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントや株式会社スクウェア・エニックスなど、主に大手ゲームパブリッシャーの委託開発を行いながら、自社でiPhone/iPad向けのアプリなどの開発も行なっています。

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代表作は1999年にリリースした「どこでもいっしょ」シリーズ。メインキャラクターの「トロ」は、ゲームを離れてテレビ番組でコーナーをもつなど、一躍人気となりました。

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そんな同社は、社内における情報共有の手段として、2018年の1月にScrapboxを導入しました。

今回は同社の代表取締役社長である南治一徳様にインタビュー。Scrapboxを選んだ理由や、具体的な活用方法をうかがいました。

株式会ビサイド 代表取締役社長 南治一徳様

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Scrapboxを導入して階層構造の煩わしさから脱却

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— — Scrapboxを導入した理由を教えていただけますか?

南治「社内の情報共有の手段としてどういう方法がベストなのか、常に課題意識を持っていました。何をどう使うか、それによって作業の効率や仕事のスピード感って全然違ってくるじゃないですか。これまでにいろいろなツールを試し、それでもベストなものを見つけられずに運用で回避するということを続ける中、Scrapboxと出会って、『これだ』と。」

— — Scrapboxを導入するまでは社内の情報共有の手段としてどのようなツールを使ってきたのでしょうか。その遍歴を簡単に教えていただけますか?

南治「会社設立当初、使い始めたのは電子メールのメーリングリストです。例えば『仕様書』や『社内ルール』など、共有したい情報の内容そのものはパワーポイントやワードで作成し、PDFで書き出したものをファイルサーバーのフォルダに置いてメーリングリストで周知するという運用でした。しかし、電子メールは細かいやりとりをするときに面倒なので、手軽さとスピード感を求めて別のサービス Netnewsや、いろいろなインスタントメッセンジャー系のソフト、チャットシステムなどを試してきました。今はSlackに落ち着いていて、リアルタイムのやりとりとはとてもやりやすくなったんですけど、それに合わせて情報を共有するためのツールも見直したくて。Scrapboxを導入する直前まで使っていたWikiのシステムは、機能は豊富でしたが、編集と階層構造の概念が面倒だったんですよ。書き始める前に、その文章をどのフォルダに置くべきかを最初に考えなきゃいけないのが実は結構大きな負担になっていて、その都度手が止まってしまうんです。Scrapboxを導入した今はモードレスに編集可能だし、情報のフォルダ管理の煩わしさから完全に解放されました。」

— — 南治様はどのようにScrapboxをお知りになったのでしょうか?

南治「以前から親しくさせてもらっている塩澤一洋先生がSNSで紹介しているのを見て初めてその存在を知りました。塩澤先生の感覚や情報はすごく信用しているので、先生が勧めるものはいつもとりあえず一度試すんですよ(笑)。さらにPOBoxの開発者である増井俊之さん(NOTA Inc. CTO)が開発に携わっているということを知り、これはかなり期待できるぞ、と。」

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「最初は戸惑った」50名のメンバー全員にScrapboxを浸透させるまで

— — 最初に使ってみて、率直にどのように感じましたか?

南治「最初はちょっとビックリしたというか、戸惑いましたね。これまで社内のサーバーやWebシステムで階層構造の煩わしさを感じてきたものの、階層の概念が全く存在しないScrapboxを初めて触った時、「フォルダとかつくれないの?」と思ってしまう自分がいたんです(笑)。その後、自分自身の頭をリセットするのに少し時間がかかり、徐々にScrapboxの思想がわかってくると『これはかなりいいぞ。』と手応えを感じられるようになりました。 」

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— — その後はどのように社内に浸透していったのでしょうか?

南治「まずは僕が見ている10人くらいのプロジェクトで使い始めました。自分自身が積極的にページを作り、『タグで検索できるし便利でしょ?』と他のメンバーに教えました。しかし、その後、会社全体でScrapboxを使いましょうと提案すると、みんな僕が初めて使った時のような微妙なリアクションで……(笑)。しかし、導入して約1年程経った今では、その使いやすさを実感してくれたようで、約50名のメンバー全員がScrapboxで円滑に情報共有をしています。ページが1300ページに急増したのも驚きました。」

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仕様書や戸締りのルール、社内ブログまで。Scrapboxの幅広い活用シーン

— — 現在実際の業務ではどんな用途でScrapboxを使っていますか?

南治「社内で情報共有すること全般ですね。戸締りのお作法や各種システムの使い方、PC導入の手順などのバックオフィス的な情報から、プロジェクトごとの開発仕様の検討など、多岐に渡ります。開発仕様に関しては、Scrapboxで検討した内容をブラッシュアップして、最終的には別のフォーマットで正式な仕様書として依頼主のパブリッシャーに共有します」

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戸締りのお作法ページ

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開発仕様検討ページ

南治「その他、会議の議事録作成にも使っていますが、これがすごく便利。複数の人でリアルタイムに書けるので、Scrapboxの中で会議に参加でき、その場にいなくても会議の様子がわかります。また、会議前にレジュメを作成しておけば、それに対して会議に参加した人が内容を更新していくだけで議事録が完成します。この使い方は最初は考えていなかったんですけど、今ではScrapboxのない会議は考えられません。」

— — 業務外でもScrapboxを使うことはありますか?

南治「一部の社員は個人のプロフィールページを作って他の社員とコミュニケーションを楽しんでいます。それから、僕自身は自分が書いている社内向けのブログや、プライベートのブログもすべてScrapboxにしました。プライベートのブログはこれまでに4つのシステムを乗り換えてきたんですけど、過去のブログをダウンロードしてScrapboxにJSON形式でインポートすれば簡単に移行できるのでアップロードできるので、これも非常に便利ですね。」

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南治様の社内向けブログ

— — Scrapboxを使ううえでの社内ルールなどは設けていますか?

南治「以前は社内の制作ラインごとにScrapboxのプロジェクトを分けていましたが、そうするとプロジェクトをまたいだ情報のリンクができなってしまうので、今は全社で1つのScrapboxプロジェクトにまとめました。制作ライン固有の情報はタグを付けてわかるようにしています。」

「Scrapboxにあげといて」の一言で全て解決!Scrapbox導入後、意思決定の回数が減った

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— — Scrapboxのどんなところが気に入っていますか?

 

南治「いろいろありますが、まずは新しい文章を書き始めるときに手が止まらないのが一番いいところだと思います。階層構造もなく、ちょっとした表なども作りやすくてすごくいいですね。とにかく極限までシンプル。それでもLaTeX書式で数式が表記ができたり、各種ソースコード表示対応もしっかりしていたりと、実はゲーム開発向き(笑)
それに、私たちはGyazo Teamsも一緒に契約しているので、安全に画像が表示されます。これは本当に素晴らしいです。これまでの1年間は社員全員が情報『書く』専門でしたが、1年でページ数も激増したので、徐々に情報を『検索する』ということができるようになりました。Scrapboxは、言わば『社内のインターネット』的な存在。日々蓄積されていく社内の知見でメンバー同士をつないでくれます。」

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南治「また、メンバー全員をマネージメントする立場として感じるのは、『意思決定の回数が減った』ということです。これまでは、情報共有を指示する際、どのツールで作ってそれをどこに置き、どんな風に発信するのがいいか、その都度考えていましたが、今では『とりあえずScrapboxに入れといてよ』と言えるようになりました。これは本当に最高ですね。利用し始めて1年ほど経ちましたが、Scrapboxの開発者さんはいつもユーザー目線で実装していただいてるなと感じています。今まで色々なシステムを使ってきましたが、これからはScrapboxで情報共有の全てを完結させたいと思っているので、これからも期待しています!」

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南治様、ありがとうございました!

( 文・写真 下條信吾)